スポンサードリンク

 

いびき

いびきをかく人と同室になると、せっかくの楽しい旅行なのに夜眠れなくて寝不足に

なってしまいます。他人迷惑な症状ですね。いびきをかいている本人は自覚症状が

ありませんので、自分のいびきがどれほどのものなのか、わからない人がほとんどです。周囲に言われてはじめて自分がいびきをかいていると知る人がほとんどでしょう。

中には、自分の大きないびきで目が覚める人もいるようですね。いびきの発声源はのど(上気道)です。狭いのどに無理やり空気を通そうとするといびきが生じます。いびきをかく事自体病的な状態といえます。たかがいびきと思っていても、睡眠時無呼吸症候群、脳梗塞、突然死などを引き起こしやすい怖い症状でもありますので、注意が必要ですよ!

 

睡眠時無呼吸症候群とは

いびきの原因の一つに睡眠時無呼吸症候群が考えられます。

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは読んで字の如く

「睡眠中」に「無呼吸」になる病気です。

「無呼吸」とは10秒以上の呼吸停止と定義され、この無呼吸が1時間に5回以上

または7時間の睡眠中に30回以上ある方は睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

睡眠中無呼吸なので(息をしていないので)死んじゃうのじゃないか?

と思われがちですが、睡眠中無呼吸だからと言って死んでしまうことはありません。

むしろ、睡眠中無呼吸が続くことで体内が酸素不足になるため、

体に負担がかかり生活習慣病と密接に関係してきます。

放置しておくと生命の危険におよぶこともあります。

昼間の眠気による事故(交通事故、労災事故)に関係します。

昼間車を運転している時、目を開けたまま瞬間的に寝てしまう現象をマイクロスリープと言い、危険な状況に対応できないばかりか、自ら事故を引き起こす大きな原因となります。スピードによる危険な状況判断ができません。

本人だけでなく社会的にも問題となりますので早期に適切な治療をする事が大切です。

 

睡眠時無呼吸症候群の原因と症状

SASの原因は空気の通り道である上気道が閉塞し、狭くなることにあります。

SASというと、太っている方を想像されるかも知れませんが、日本人はもともと

頭蓋骨が上下に長く、元来、気道が狭い形態的特長があります。

また近年、顎が小さく気道が塞がれやすい方も増えてきているため、痩せていても

SASになることがあります。もちろん肥満が最も大きな原因にはなりますが、頭蓋骨の形態などの構造的要因にも注意が必要です。その他に、機能的原因によって気道が

閉塞する場合もあります。

 

「日中の眠気」(会議中、パソコン作業中、車の運転中、テレビをみている時)

「起床時の頭痛」「いびきをかくと言われる」「メタボリックシンドローム」………

ご自分で思いあたる症状はありませんか?

 

無呼吸を指摘されたり、思い当たる症状がある場合は、専門医療機関などへ受診しましょう。

 

検査について

問診時に睡眠、自覚症状について質問され、その後の検査方法を決定されます。

SASが疑われる場合は、夜間の状態を診るため、基本的には夜間の睡眠時の状態を

入院して検査を受けます。

 

終夜ポリグラフィー(PGS)

患者さんの睡眠状態(眠りの深さや睡眠の質)と呼吸状態を同時に測る検査です。

脳波や心電図、胸部・腹部のうごき、鼻からの気流、動脈血中の酸素の量を連続

して計測し、その結果をトータルに医師が判断します。

 

簡易検査

  夜間睡眠中の呼吸状態を測る検査です。終夜ポリグラフィーを実施する前に

簡易的に検査をする必要がある場合や、緊急性のある場合などに用いられます

場合によってはご自宅で検査をする場合もあります。

 

治療について

SASと診断された場合、次に治療法を決定します。治療は、内科的治療、歯科装具、手術に分けられます。患者さんにあった治療法を患者さんと相談しながら医師が選択します。また、治療を効果的に行うためにも生活習慣の改善に心がけましょう。

 

・内科的治療

SASは生活習慣と密接に関係しています。SAS治療の第一歩は生活習慣を見直すこと

から始まります。肥満の方は生活に適度な運動をしたり、晩酌をされる方は量を

減らすことで、無呼吸が軽減する場合があります。

 

・CPAP療法

CPAP(Continuous Positive airway Pressure:経鼻的持続陽圧呼吸療法)といい、

睡眠時に鼻に取り付けた専用のマスクから気道に空気を送り込み、気道を広げる療法です。

CPAPを使うことによって、熟睡ができるようになり、昼間の眠気から解放され、仕事や運転などでも眠気がなく集中できるようになることが多いです。SAS治療法として広く普及している方法です。有効性も認められており、日本では、健康保険で中等症以上の睡眠時無呼吸症候群の方が保険適応です。

自己負担は3割負担で月に約5000円弱程度です。但し健康保険でこの治療を受けられる場合、毎月必ず外来受診することが必要です。

 

・歯科装具(マウスピース)

主にいびき症の方や軽症の睡眠時無呼吸症候群の方に有効な治療がマウスピース療法です。

睡眠時無呼吸症候群の方に適応されるマウスピースは、下顎を上顎よりも少し前に突き出して固定します。気道を広く確保します。

個人の歯形に合わせて製作します。作製には経験が必要で、睡眠の専門医療機関と連携のある熟練した歯科医に受診されることをお勧めします。2004年から専門医の紹介状がある場合には保険適用となっています。副作用として顎の痛みや違和感がありますが、数ヶ月の使用で徐々に慣れていくケースが大半です。

 

・外科手術

無呼吸の責任部位が明確な場合に適応されます。小児の睡眠時無呼吸症候群の大半は扁桃肥大が原因で、そのため扁桃摘出術が有効です。全身麻酔で行う手術です。成人の場合は、責任部位が明確でないことが多く、また肥満を合併されているケースも多いため、手術適応には慎重な判断が必要です。1泊入院で行われるレーザ治療があります。

また肥満合併の重症の方の場合は、手術そのもののリスクが高いことも念頭においておく必要があります。

 

スポンサードリンク

 
Copyright © 2008 いびきの原因と治療法 All rights reserved.
inserted by FC2 system